2010年5月に訪問した佐原の街は、ちょっとしたブームが訪れていた。テレビや雑誌で小江戸「佐原」として盛んに紹介されていたのだ。
休日ともなると、せまい街道には人が溢れていた。
老舗の蕎麦屋、ごま油屋、酒蔵メーカー、伊能忠敬博物館。観光物産ここに極まれり。
しかし、あの日を境に状況は一変する。
そう3.11大震災。 この地帯は、利根川の近くで液状化が激しかった。津波の被害はなかったが、地盤がゆがみ、住宅に影響が出た。
江戸時代から残る建物の多くは傾いてしまったり潰れた所もあったよう。空き地が目立つ。
屋根にブルーシートがかかっているところがそこらじゅうにある。
もう一年以上たつのに。
2012年7月21日の佐原は、強い風が吹いていた。7月とは思えぬ寒さに恐ろしさを覚えた。
夏休みの初日の土曜日とは思えぬ人の少なさを思うと、ある町を思い出した。
「夕張」
さて、
この佐原へきた一番の目的は
「うなぎ」食べにきたのです。土用の丑の日は、混みすぎるため一週間前倒しで食べる計画です。
うなぎ炭火焼「山田」さん。佐原では、有名店です。
2年前は、人がいっぱいでところ狭しだったけど、今回は、ひとっこひとりいない。
唾液は、この日のために溜めていたかのように、口からあふれそうです。
オーダーを取りに来たおばちゃんに
「上うな重」二つ。
「ありがとうございます」
それだけだと、ちょっと寂しい。
「肝焼きはありますか?」
「御免なさい今日は…」
それでは、茶碗蒸しは?
「御免なさい今日は…」
じゃ、おしんこでいいや
「うな重についていますが…」
う、うな重だけでいいです。
笑顔になったおばちゃんは、走るように厨房へ注文を伝えに行ってしまいました。
約20分後
きました、きました。
これです。
濃厚なうなぎのタレがベッタリ乗っかっています。
一口、一口、ここのうなぎを初めて食べた衝撃を噛みしめながら感動してます。
本当に濃い味なんで、人によってはうんざりすると思いますが、とにかく好きなんです。
肝吸いの肝も超巨大で、マツタケが一本入ってっているのかと勘違いするほどでした。
おいしさもさておき、量もハードです。
まるで、ギアナ高地のようなうなごはんの断層を少しずつ少しずつ切り崩していくことが、この上ない喜びです。
大満足のうな丼を食べ終わり、店を出て
「山田」さん
おいしいうなぎをありがとうとお礼をしました。
帰り、気がついてしまいました。店の周りにある第一駐車場では足りなかろうと、道を挟んで専用駐車場もうひとつ所有していたんです。
「山田うなぎ店 第二専用駐車場」
すばらしい。
お客様第一主義とはこのことです。
しかし…。
こんなに広くなくてもいいだろうに。
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