〜第一部〜 私と山ボーイAと山ガールA、Bの4名は、群馬県みなかみの谷川岳麓一ノ倉沢へハイキングへ出かけた。 ぐずついた前日とはうってかわって晴天を拝めた。なんでも明日からはまた雨が降るそうだ。前に話した通りわたしは強力な「晴れ男」に生まれついてる。あだ名が「モーゼ様」と言われるくらいに。 山ボーイAが「オレすごい雨男なんです」と言ってたが、わたしの晴れ男の前には芥子くずなみな意味しか持たない。 一ノ倉沢のハイキングコースは勾配もほとんどなく道路もきれいに舗装されている。 ロープウェー駅に車を止めて「一ノ倉沢出合」という場所まで約4キロ。 ゆっくり歩いて一時間ほどで着く。 思っていたほど寒くなくお天道様がポカポカに身体を温めてくれて、11月の谷川とは思えぬ温かさだ。紅葉も見事で、まさしく今日来たこのタイミング以外考えられないほどだ。 4人の顔はほがらかに、明るい笑顔だ。「自然ていいな」だれかが言った。 一ノ倉沢出合につくと宴会のはじまりだ。 ソーセージを炒めてスパムを焼く。それをバンズにトマトとレタスをはさみ、かぶりつき「ウマい」! インスタントのお粥にわたしの友達「牛乳屋さん」からいただいたでっかい紀州梅干しをぽとり「超ウマ」! デザートは切り餅を焼いてほかほかのおしるこに投入「激ウマ」!! 目の前は圧倒的に巨大な谷川岳の山肌。足下には温かいおいしい料理。幸せの絶頂をお餅と一緒に噛みしめていた。 〜第二部〜 今回のトレッキングの計画は「一ノ倉沢出合」で昼食をとって、山を下り湯桧曽川の沢沿いを歩いて出発場所へ帰ろうというものであった。時間通り休憩を終え、沢を目指して出発した。 谷川岳は切り立った岩肌が特徴で、冬は最も雪崩がおきやすい山なんだそうだ。毎年登山家が命を落としてゆく。その死を悼んで仲間は、プレートに想いを綴り巨石に取り付ける。このプレートが登山道のあちらこちらに貼付けてあり(100枚以上)、命を落とした方の多さにおどろく。 さて、先を急いで人がほとんど歩いていない山道へ差し掛かると、道の半分がごっそり崩落しているところへさしかかった。ことしの台風は例年になく多く上陸し被害をもたらした。その台風のもたらした雨はこの谷川岳にも牙をむいたのであ