2013/11/09

谷川岳よ。偉大な山よ!

〜第一部〜


私と山ボーイAと山ガールA、Bの4名は、群馬県みなかみの谷川岳麓一ノ倉沢へハイキングへ出かけた。


ぐずついた前日とはうってかわって晴天を拝めた。なんでも明日からはまた雨が降るそうだ。前に話した通りわたしは強力な「晴れ男」に生まれついてる。あだ名が「モーゼ様」と言われるくらいに。




山ボーイAが「オレすごい雨男なんです」と言ってたが、わたしの晴れ男の前には芥子くずなみな意味しか持たない。






一ノ倉沢のハイキングコースは勾配もほとんどなく道路もきれいに舗装されている。
ロープウェー駅に車を止めて「一ノ倉沢出合」という場所まで約4キロ。
ゆっくり歩いて一時間ほどで着く。






思っていたほど寒くなくお天道様がポカポカに身体を温めてくれて、11月の谷川とは思えぬ温かさだ。紅葉も見事で、まさしく今日来たこのタイミング以外考えられないほどだ。






4人の顔はほがらかに、明るい笑顔だ。「自然ていいな」だれかが言った。



一ノ倉沢出合につくと宴会のはじまりだ。

ソーセージを炒めてスパムを焼く。それをバンズにトマトとレタスをはさみ、かぶりつき「ウマい」!
インスタントのお粥にわたしの友達「牛乳屋さん」からいただいたでっかい紀州梅干しをぽとり「超ウマ」!
デザートは切り餅を焼いてほかほかのおしるこに投入「激ウマ」!!


目の前は圧倒的に巨大な谷川岳の山肌。足下には温かいおいしい料理。幸せの絶頂をお餅と一緒に噛みしめていた。




〜第二部〜

今回のトレッキングの計画は「一ノ倉沢出合」で昼食をとって、山を下り湯桧曽川の沢沿いを歩いて出発場所へ帰ろうというものであった。時間通り休憩を終え、沢を目指して出発した。

谷川岳は切り立った岩肌が特徴で、冬は最も雪崩がおきやすい山なんだそうだ。毎年登山家が命を落としてゆく。その死を悼んで仲間は、プレートに想いを綴り巨石に取り付ける。このプレートが登山道のあちらこちらに貼付けてあり(100枚以上)、命を落とした方の多さにおどろく。

さて、先を急いで人がほとんど歩いていない山道へ差し掛かると、道の半分がごっそり崩落しているところへさしかかった。ことしの台風は例年になく多く上陸し被害をもたらした。その台風のもたらした雨はこの谷川岳にも牙をむいたのであった。がけ崩れがいたるところにおきて安全であるはずの登山道すら危険地帯となっていた。土嚢の下はごっそり土が削り落ちていて約100メートルの下には大きな岩がゴロついている。

雨が降りそうだ。先を急がねば。

女性には厳しい勾配の下り道。湿っていて粘土質な地面が落ち葉にかくれて足を滑らす。明らかに午前歩いてきた舗装された道路とは毛色がちがう。本格的すぎる。山ガールBは今回初めてのハイキングだ。こんな山下りはもちろん初めてだ。


「山ガールBよ、わたしを恨むな!群馬県水上温泉観光ガイドのコース地図を恨め」



降りること20分ほど、ようやく沢へ。周りは山に囲まれている。その山のてっぺんから土石流(というか岩石流)が流れてきたのは想像できる。この岩の量を見てくれ。この岩は決して安定していない。ごろごろしているだけだ。つまり先日この岩崩れが起きたことを物語る。






流木も上流から無数流れ着いている。山肌をゴリゴリ削り、ここは既に生き物の気配がまったくない。







そんな風景を眺めながら30分以上もこの不安定な岩の上を歩いている。


聞けば、山ボーイAはスニーカー、山ガールBは軍もののレプリカブーツ。こんなところで捻挫をしては、最悪のハイキングになってしまう。

川が行く手をはばむ。そうすると右に見えるブッシュに登ってまた河原に降りて歩いた。これが2、3回つづく。自衛隊の訓練よりもきつい。サバイバル、生きるか死ぬか?ここで負けてはいけない。

わたしがしっかりしなくては。

雨が気になる。


焦る気持ちを抑えつつ「あと2キロくらいでゴールに到着するよ。もう少しだよ」優しく声をかけるわたしだが心なしか声が震えている。そう、ゴールにたどり着けるか自信がないのだ。引き戻るにしても先ほど死ぬ思いで降りてきた地面がヌルヌルの斜面を登らなくてはならない。

そうこしているうちに

な、なんと川が完全に行く手を阻んでいたのだ。

歩ける岩から岩まで5メートルもある。

経験豊富な山ガールAは「靴脱いで川を歩いて行くしかないわね」そう言う顔は緊張でこわばっている。

彼女は分かっていた。「仮にここをクリアーしても次にどんな困難が待っているか分からない」先の見えない恐怖と闘っていたのだった。

わたしは思った「携帯の電波も届かない。今ここで遭難かぁ」

いままでの人生を振り返り「我が人生に悔いなし」と自害になったが、「いけない!このかわいい山ボーイ、山ガールたちをなんとかしなければ」

最後の体力を振りしぼり、川沿いの人がとても入れないようなブッシュを登ってみた。















何と、舗装された道がそこにはあった。

「た、助かったぞ〜、たすかった!」声を上げた瞬間、みんなの顔色に赤みがさした。

憔悴しきった3名を撮るわたしの手は喜びで震えていた。

手ぶれ補正最大のデジカメですら制御できぬほどに。



山の御霊よ、ありがとう!

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