嵐の後に。

10日間ほど前から始まったトラブルは、ようやく土曜日の20時30分に終了した。このトラブルの内容は仕事なので触れないとして、その物語は、土曜日8時半から始まった。


Ⅰ:初日

そのトラブルで、私は、9/18(土)の夜8時半に札幌にいた。納品の報告を電話したりして最後の仕事の仕上げをしていた。駅ビルのテナントに納品のため全く気が付かなかったが外は冷たい雨が振っていた。

ひとまず「飯でも食うか」と周りを見回すと、看板に6階レストラン街と書いてあった。駅ビル(タワー)なので、いろんなお店があるようだ。エレベーター乗り場まできてみるとものすごい人がエレベーターを待ってた。

「あ、そうか7Fに映画館があるんだ。多分、開演が近いんだな」

別に急いでないし、混んでるエレベーターに乗るのも今の俺には苦痛でしかない。時計をみると、21時を3分過ぎていた。

「先に宿でもさがすか」はたして荷物がちゃんと着くかどうかも不明なため宿は取っていなかった。もう21時を廻っているのと3連休の頭の日なので、厳しい戦いになるとは思ったが、駅の看板にあるホテルを片っ端から電話してみた。一軒、一軒丹念に予約してみたが、みな断られた。

すでに一日電話ばかりしていたため、充電があとひとメモリしかなくなっていた。もちろん準備のよい俺は、携帯の充電セットは持ってきていたが、これはホテルについてから充電しようと思っていたため、仕方なくキヨスクで使い捨ての充電池を購入し、最後の力を振り絞り予約しに元の場所に戻った。

ようやくホテルが取れたが、私の予約のための発信履歴は、10件を超えていた。

「そろそろ、レストランへつながるエレベーターはすいているかな」

案の定すいていた。6階へ飛び乗り、あたりを見回すといっぱいお店があるが、どこにしようか?ふらっと歩くと回転すしの文字。しかもすでに21時30分を過ぎても20人位並んでいるじゃないか。

「なんて店だ」

店の中からは、わざとらしい「いらっしゃいませ~!!!」のうるさい声が。このいらっしゃいませが大きければ大きいほどいいなんて幻想は、とっくのとうに過去のものだぜ。

まあ、いい。

以前、北海道の回転すしは、東京の回転すしとは全く違うということを聞いておりここにするか。まあ、20人いても客の回転も早いだろう。しかし腹ペコ私は、ある文字を発見するのだった。

「お持ち帰りはおまたせしません」

即、1000円握りの持ち帰りにして、ホテルで食べることを決意した。

雨の中をホテルまで歩いた。札幌は、地下道が発達していてほとんど濡れることはなかったが。

部屋に着くとまずは、熱いシャワーで疲れを流した。あまり飲まない缶酎ハイ(レモン味)で、ひとり祝杯を上げ

「よくやった。お前ならやれると信じていた」無意識に、自分で自分に褒め言葉かけていた。「さて、この花まるって回転すしや、どれほどのものか?」とホッキ貝をひとくち食べてみた。

「なんという肉厚なんだろう。こんなホッキ貝食べたとこないぞ」続けてホタテ、サーモン、しめ鯖を口に。

「うーん、俺が悪かった。美味しいぜ。これがたった1000円か。東京の寿司屋、、もっと努力しろ」

愛情のある叱咤、俺も大人になったものだ。


Ⅱ:2日目

すでに、起きると8時30分を回っていた。昨日からの雨はまだ、弱々しく降り続いていた。フライトが12時30分だから10時30分に出ればいい。ゆったりとした時間が流れていた。昨日までの時間に追われる(追いかけられる)状況は一変していた。

家にかえって筆を持ち、自分の趣味に没頭できるこの幸せ。あえてなにもしないこの幸せ。早めの就寝だった。


Ⅲ:3日目

戦いの日はきた。男は一日休めばすぐに戦いを求め始める。心に炎が燃えている。日本のへそ静岡浜松に戦いの火蓋が切って落とされている。この戦いに参加せずして男と言えるだろうか?

一昨日の戦いは、全く異質なものだ。やるかやられるか?

この闘士を胸に押しこめ、外見からはさとられぬよう冷静な表情でKORへ向かった。

1Rから参加した俺は、劣勢を強いられていた。時間ばかり過ぎてそれに比例し敗けがこんでいった。

「何とかせねば」

すでに14時半を回っていた。

「昼飯を食べないと体力が持たない」

もつ煮込みを食べた。

「なんだこれは」しまった、この店は醤油味なのだった。そんなことも忘れてしまうくらい慌てていた。

実は、俺は、煮込みは味噌仕立てが好きなのだ。

「落ち着け、落ち着け」

運命の9Rは光が見えた。光、それは例えようのない感覚的なもの。なぜだか分からないが、誰が来るかはっきりわかる瞬間なのだ。

http://autorace.jp/netstadium/ns/Ondemand/asx/?d=20100920&p=4&r=10


そして的中した。反則の審議が始まる。

「光が見えてるんだ。大丈夫。金子、お前だろ!」


結果はみごと、永井→金子→角南。

「あ~、おれはこの瞬間を楽しみたくて生きているんだ」

疲れた私が帰った家には、愛妻の手料理が待っていたのだった。

コメント

docyan さんの投稿…
長いトラブルご苦労様でした。
その苦労がKORで報われたじゃないですか。拙僧もMBJでそのつきにあやかります。
enufikih さんの投稿…
社員数人でお邪魔したときMBJへ連れていってくれましたね。その時、私とdocyanさんの2人だけが儲けましたね。

このところくすぶっていのたので、ようやく調子が出てきましたよ!

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